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19世紀

黒い部分がどこまでも黒くても真っ黒にはならない。硬質な、線と線で埋め尽くされた中にほの暗く浮かぶ白さ。銅版画についてあまり知らないが硬い線で構成された白と黒の画面に惹かれる。鋭利な。線的なもの。中身などどうでもいいと言わんばかりの形。灯台下暗しで久しぶりに練馬区立美術館へ行ったら、展示も面白いし、カラフルな動物たちがそこかしこにいる庭も小ぶりながら楽しい空間だった。19世紀のパリをテーマにした展示で、最初のパリの古地図や風景画は行ったこともないし地理の感覚もないからつまらなかったが、鹿島茂氏の古書のコレクションには装丁を含めわくわくし、芸術的な銅版画やドーミエの風刺画、美しいアルビューメンプリント、ピエール・ボナールのカラーリトグラフなどはとてもよかった。見終わったと思ったら小部屋でレ・ミゼラブルのミニ展示をやっていて、これまたいたく興奮した。1862年の初版の出版時から大人気だったとか。小説もミュージカルも両方好きだから人物はもうお馴染み。それぞれの挿絵。小さくて、これは絵なのか?写真にも見えるけど?説明書きをよく読んだら絵を写真に撮ったもの、アルビューメンプリントだった。まあ本当に美しく見惚れてしまう。また読みたくなったが分厚い文庫本5冊組、あれを読むには集中がないと…。あれこれ気が散っている。昨日プリントしたのはなかなか面白そうだ。ダッペングラスを撮った、顔のように見えるやつ。これは私にとってのポートレイトなのか?顔、顔、顔。静かに、穏やかにして。